日本生物地理学会 2015年度大会シンポジウム

昆虫を操作する寄生者たち ―分子メカニズムから生態系に与える影響まで―

2015年4月12日(日)13:00-16:40
立教大学14号館 D201号室(〒171-8501 東京都豊島区西池袋3-34-1)


[趣旨] (陰山 大輔)

  寄生という現象は面白い.昆虫体内に生息する生き物には,積極的に昆虫を操作・改変し, 自分たちが生き延びやすいようにふるまっているものが多い. 擬人的にも思えるそのような現象は人を魅了してやまない.いくつかの共生細菌は様々な昆虫を操作し, メスしか生めないような体にしてしまう. 昆虫病原性ウイルスとして知られるバキュロウイルスはイモムシの行動を操作し鳥に食べられやすくしている. ハリガネムシはカマドウマの行動を操作して川に飛び込ませる.また,ある土壌微生物はカメムシに取り込まれ, 農薬に対する抵抗性を与えている.今回のシンポジウムでは, そのような寄生者−宿主間の興味深い関係を題材に展開されている研究5つについて, その意義や面白さについて語っていただきます.