陰山 大輔 (農業生物資源研究所 昆虫微生物機能研究ユニット)
安佛 尚志 (産業技術総合研究所)
春本 敏之 (産業総研/日本学振特別研究員PD)
深津 武馬 (産業技術総合研究所)
勝間 進 (東京大学大学院農学生命科学研究科)
佐藤 拓哉 (神戸大学大学院理学研究科)
菊池 義智 (産業技術総合研究所北海道センター)
寄生という現象は面白い.昆虫体内に生息する生き物には,積極的に昆虫を操作・改変し, 自分たちが生き延びやすいようにふるまっているものが多い. 擬人的にも思えるそのような現象は人を魅了してやまない.いくつかの共生細菌は様々な昆虫を操作し, メスしか生めないような体にしてしまう. 昆虫病原性ウイルスとして知られるバキュロウイルスはイモムシの行動を操作し鳥に食べられやすくしている. ハリガネムシはカマドウマの行動を操作して川に飛び込ませる.また,ある土壌微生物はカメムシに取り込まれ, 農薬に対する抵抗性を与えている.今回のシンポジウムでは, そのような寄生者−宿主間の興味深い関係を題材に展開されている研究5つについて, その意義や面白さについて語っていただきます.